正解を探すのではなく、視点を増やす。多角的な思考で、人生をチューニングしよう。

【親×管理職の視点】我が子の「ゲームやめられない問題」を、組織マネジメント論で真剣に分析してみた。

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はじめに:毎晩繰り広げられる「仁義なき戦い」

こんにちは。ブログ「Fine-Tune」管理人です。 50代の教育管理職で、家では3人の小学生の父親をやっています。

さて、我が家でも、全国の多くの子育て家庭と同じく、毎晩のように「仁義なき戦い」が繰り広げられています。

テーマは、そう「ゲーム」です。

「もうご飯だよ!いい加減にしなさい!」 「あとちょっと!ここクリアするまで!」 「さっきもそう言ったでしょ!もう没収するよ!」 「えー!なんで!今いいところなのに!」

……身に覚えがありすぎる会話ではないでしょうか。

私も一人の親として、感情的に怒鳴ってしまい、後で自己嫌悪に陥ることが何度もありました。「なぜ、何度言っても分からないんだ」「約束を守れないなんて、将来ダメな大人になるんじゃないか」と、不安とイライラが募るばかり。

しかしある時、ふと冷静になって、リビングのソファでゲーム画面に食い入る我が子の背中を見たとき、私の脳内で、職業病とも言える「管理職スイッチ」がカチッと入りました。

「待てよ。これ、会社で言えば『業務命令(宿題・食事)を無視して、自分がやりたいタスク(ゲーム)に没頭している部下』と同じ状況じゃないか?」

もし会社で、指示を聞かない部下がいたら、私は頭ごなしに「やめろ!」と怒鳴るだろうか? いや、しない。まずは原因を分析し、モチベーションの源泉を探り、行動変容を促すためのアプローチを考えるはずだ。

そう気づいた瞬間、私は親としての感情論を一旦脇に置き、「我が家のゲーム問題」を、組織マネジメントの視点で大真面目に分析してみることにしたのです。

すると、今まで見えていなかった、驚くべき構造が見えてきました。

なぜ「部下(子ども)」は、あんなに熱心に働くのか?

まず、彼らの「働きぶり(ゲームへの没頭ぶり)」を観察してみました。

ものすごい集中力です。失敗しても何度もトライ&エラーを繰り返し、少しずつスキルを向上させ、難敵を倒したら全身で喜びを表現する。

……あれ? これ、管理職が喉から手が出るほど欲しい「自走する優秀な人材」そのものではないでしょうか。

なぜ彼らはゲームの世界ではこんなに優秀なのか。マネジメント視点で分析すると、ゲームというシステムが、いかに巧妙に設計された「ホワイト企業(?)」であるかが分かります。

1. 「目標」と「報酬」が超明確に設計されている

ゲームの世界では、「ここに行けば次のステージ」「この敵を倒せばこのアイテム」と、やるべきこと(目標)と、得られるメリット(報酬)が、極めて明確かつ短期間で設定されています。

一方、現実世界はどうでしょうか。 親は「宿題やりなさい」と言います。しかし、それをやるメリットは? 「将来困るから」「賢くなるから」。 ……子どもにとって、そんな遠い未来の、曖昧な報酬は響きません。

管理職風に言えば、「KPI(重要業績評価指標)が不明瞭で、インセンティブ設計が機能していない状態」です。これでは部下のモチベーションが上がらないのも当然です。

2. 「承認欲求」が即座に満たされる

ゲームをすれば、レベルが上がり、ファンファーレが鳴り、オンラインの友達から「すげー!」と賞賛されます。

一方、現実世界で彼らは、学校で疲れ、家では親から「早くしなさい」「また片付けてない」と小言を言われます。

「努力が即座に可視化され、承認される職場(ゲーム)」と、「なかなか評価されず、ダメ出しばかりされる職場(現実)」

あなたが社員なら、どちらの職場に出社したいですか? 答えは明白です。彼らは、より良い労働環境を選んでいるだけだったのです。

マネジメント論で「改善計画」を立ててみた

分析の結果、問題の本質は「子どもの自制心のなさ」ではなく、「現実世界の業務設計の欠陥」にあることが判明しました(親としては耳が痛い結論です)。

そこで私は、トップダウンの命令(「やめなさい!」)をやめ、マネジメント手法に基づいたアプローチに変更しました。

施策1:1on1ミーティングの実施(対話と合意)

まず、子どもと落ち着いて話す時間を設けました。会社で言う「1on1ミーティング」です。

ここで重要なのは、叱責ではなく「傾聴」です。 「どんなゲームなの?」「何がそんなに楽しいの?」と、彼らの世界の価値観をリスペクトを持って聞きます。

その上で、会社の現状(我が家のルールと生活リズム)を共有し、どうすれば共存できるか、彼ら自身に考えてもらいました。

一方的に「1日1時間!」と通達するのではなく、「彼らが自分で決めたルール」として合意形成を図るのです。人間は、他人に決められた目標より、自分で決めた目標の方が守ろうとする心理が働きます。

施策2:KPIの再設定(終了条件の明確化)

これまでは「○時まで」という時間管理をしていました。しかし、ゲームには「セーブポイント」や「キリの良いところ」があります。仕事中に突然「時間だからPC落として」と言われたら大人でも反発します。

そこで、「時間」ではなく「成果(ここまでクリアしたら終わり)」をKPIに設定したり、「宿題とお風呂が終わったら、寝るまでの時間はフリータイム(裁量労働制)」という新しい契約を結んだりしてみました。

施策3:現実世界での承認(フィードバック)

ゲームオーバーになっても、ゲームは決してプレイヤーを人格否定しません。「コンティニューしますか?」と優しく問いかけます。

私もそれを見習いました。約束を守れなかった時、「だからダメなんだ」と人格を否定するのではなく、「今回はなぜ計画通りいかなかったのかな? 次はどうする?」と、プロセスの改善を促すフィードバックを心がけました。

そして、約束を守れた時は、ゲームのファンファーレに負けないくらい、「素晴らしい!」「さすが!」と大げさに承認するようにしたのです。

まとめ:親も管理職も「視点」を変えれば楽になる

これらの施策で、我が家のゲーム問題が完全に解決したか?

……いえ、正直に言えば、今でもバトルは勃発します(笑)。彼らのゲームへの情熱は、大人の浅知恵を軽々と超えてきます。

しかし、以前のような「感情的な怒鳴り合い」は激減しました。 何より、私自身の精神状態が大きく変わりました。

「言うことを聞かない困った子」という視点から、「優秀だけど、モチベーション管理が難しい部下」という視点に変わったことで、冷静に対応できるようになったのです。

職場での部下育成も、家庭での子育ても、本質は同じなのかもしれません。 相手をコントロールしようとするのではなく、相手の視点に立ち、環境を整え、自発的な行動を促すこと。

もし、ご家庭で同じような悩みを抱えている方がいたら、一度「親」という肩書きを置いて、「敏腕マネージャー」になりきって我が子を分析してみてはいかがでしょうか。

案外、職場でのマネジメントのヒントまで見つかるかもしれませんよ。

これもまた、仕事と子育ての交差点で見つけた、一つの「思考のFine-Tune(微調整)」の形なのだと思います。

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